理系研究者のしごとメモ

研究者の仕事や日常の一コマを綴ります。

実験するときは仮説を立てろ

実験するときは、必ず仮説を立てなければいけません。

当たり前のことのように聞こえるかもしれません。
しかし、研究をしていると意外と抜けてしまうことがあるのです。

仮説とは端的に言えば、「〇〇を行えば△△のような結果が得られるはずだ」というものです。
これを検証するのが実験になります。
そして、研究には何かしらのゴールがあります。
最小の労力と最短の時間でそのゴールに辿り着くには、適切な仮設と検証方法の設定が必要です。
研究者の力量が試されます。

しかし、研究者の多くが体験しているように、仮説は外れます。
想定外の結果というものが頻繁に得られるのです。
仮説と違う結果、というのは、研究者にとってダイヤモンドの原石です。
これまでの知見とは異なる結果が得られたのですから。
何か見落としている要素が隠されているため、
新しい発見に繋がったり、最低でも自分の知識を深めたりできます。
新しい研究テーマの創出につながることもあるため、そもそものゴールが移動してしまうこともあります。

明確にゴールが決まっている場合、別の仮説を立てて検証を繰り返します。
それでもなお、仮設が外れ続けると、精神的に辛くなってきます。
そのようなとき、仮説を立てることをせずに、実験をしてしまいがちなのです。
何となく一つの要素を変えてみる、適当に試薬を混ぜてみる…

そのような状況は往々にして無駄です。
そもそもの前提条件が間違えている可能性が高い。

仮説なき実験は時間と労力の無駄。忘れないようにしましょう。