理系研究者のしごとメモ

研究者の仕事や日常の一コマを綴ります。

会社の課題を深ぼっていくと『そもそも』という話に行き着く

会社で働いていると多くの問題に直面する。

大体はちょっと面倒、くらいのものだから、効率無視で我慢して手を動かして解決できる。しかし、その「ちょっと面倒」にたくさんの部署、人が関わっているとするとどうだろう?大きな無駄が生じていることがわかる。人間関係にしてもそうだ。ちょっとの積み重ね、一人の存在が大きな問題に発展する。

そのような問題を解決しようとすると、『そもそも…』という考えに至る。

そもそも、誰が責任者なのか?

そもそも、このやり方でやっているのはなぜか?

そもそも、なぜこのようなルールになっているのか?

このような『そもそも』を解決しようとすると、一筋縄ではいかない。

まず、誰に言えばいいのかわからない。直属の上司に言ったところで、「とりあえずやって」的なことを言われるのがオチだ。中間管理職は特に上にいい顔をしようとしていざこざを起こすことを嫌う。

責任者を見つけ出してやり方を変えたいと主張しても、多くの部署でやり方を共有している方法なので折衝が大変で大体変更できない。昔からやってる方法にこだわる人もいる。デジタル化を拒んでいるのは、まさにこういう人たちだ。

やり方を変えられるとしても、ルールを変えるのに非常に煩雑な手続きが必要な場合も多い。社内規則の変更はハンコリレー的なものが必要になるケースがほとんど。時間も手間もかかる。

では、このような問題を解決するにはどうすればいいか?やり方は二つだろう。
基本的に中間管理職は役に立たないと考えた方がいい。

トップダウンで一気に解決する

ボトムアップで時間をかけて解決する

トップダウンで解決とは、一番立場の高い人が命令して課題を是正させること。上の命令なら従わさるを得ない。グチグチ文句を言いながらもみんなが動く。しかし、トップまで問題が伝わらないことや、トップが本質を理解できていないケースが問題になりうる。

ボトムアップで下の立場から解決しようとなると、個人には力がないので、まず仲間を増やすところから始めなければならない。少しずつ問題を大きくして、上の人が危機感を覚えれば問題は解決に乗り出すだろう。あるいは、下の立場の人が出世して問題を変える。ボトムアップだとどうしても時間がかかるのだ。

これらの間をとった方法は目安箱の設置とトップ直轄部隊の編成だろう。
目安箱とはご存知の通り、庶民の意見を吸い上げるために江戸幕府が設置した投書箱のこと。トップの人が現場の問題を聞く機会は少ない。トップが目安箱を設置すれば、現場の様々な意見を耳にすることができる。

その問題を解決するのがトップ直轄部隊だ。現場をよく知る人、様々な部署から集まった混成部隊がいい。トップ直轄ならば権力が与えられているから、周りも渋々言うことを聞く。現場を知っているからよくわからない解決策にはならない。若手を中心にすれば人脈を広げる役割も果たすだろう。

以上、会社に蔓延る『そもそも』問題とその解決策について考えてみた。何かの参考になれば幸いだ。